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V.E.フランクル「夜と霧」(新版)の心に響いたフレーズ [読書感想]

この歳になって、初めてこの本を紐といた。
まず今まで読まなかった理由:読むのが怖かった。何かすごく深くて暗くて苦しいところに引きずり込まれそうだったので。
全くの杞憂でした。そして、敢えて新版を手にしました。

でも、今の歳になって読めて良かったです。そして、特に心に響いたのは、「生きる意味を問う」の中のパラグラフ。

「わたしたちが生きることからなにを期待するかではなく、むしろひたすら、生きることがわたしたちからなにを期待しているかが問題なのだ、・・・」

これ、すごい文章です。この書き方、何ていうんだっけ?「AがBではなく、BがAである」という言い方。弁証法的な言い方だったか?意味のレベルが、階層が、ひとつ確実に上がってます。そして、

「生きることは日々、そして時々刻々、問いかけてくる。わたしたちはその問いに答えを迫られている。考え込んだり言辞を弄することによってではなく、ひとえに行動によって、適切な態度によって、正しい答えは出される。生きるとはつまり、生きることの問いに正しく答える義務、生きることが各人に課す課題を果たす義務、時々刻々の要請を充たす義務を引き受けることにほかならない。」

そうだったんだ。知らなかった。そして、この人たちは、あの極限の状況でこれを求めて苦悩し、もがき続けていたかと思うと言葉が出ません。

もうひとつついでに書くと、人間模様的内容としては大岡昇平の「俘虜記」を思い出させます。置かれている立場、状況は全然違いますが。
それと、「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」の感動ともまた別のものだったことも書いておきます。
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